5月6日(金) 軟風のように
登録日:2016年5月 6日/更新日:2016年5月 6日
主は、「そこを出て、山の中で主の前に立ちなさい」と言われた。見よ、そのとき主が通り過ぎて行かれた。主の御前には激しい風が起こり、山を裂き、岩を砕いた。しかし、風の中に主はおられなかった。風の後に地震が起こった。しかし、地震の中にも主はおられなかった。地震の後に火が起こった。しかし、火の中にも主はおられなかった。火の後に、静かにささやく声がきこえた。
(列王記上第19章11・12節)
子どもたちと過ごす毎日の中では「この子にこの力がつけば・・・。そのためにはこの事を伝えなくては・・・。」と思う瞬間に出会います。
だがそこで、「ちょっとこちらへ」などとあらたまって呼び出し、懇々と話してきかせるようなことは私はあまりしません。ひと時に多くを受け入れ変わることはとても難しいと思うからです。はじめに種をまき、芽を出し、つぼみが膨らみ花が咲いて実を結ぶように、伝えたいことに誠意を込め、規則や規範に血を通わせ、ここで少し、数週間後に少し、数ヵ月後に少しと丁寧に時をかけて教え育てるのです。健全な発達・成長は緩やかに、しかし確かな足取りで進むもの。少しずつ伝えたいことをその心に染み込ませていくことが大切です。
静かに寄り添い、本人に気づかれないほど巧みに下準備を整えた環境に子どもをおく。そして、その成長をどっしりとかまえて観察し続けたいと思います。
子ども自身が伸びの手ごたえを感じ、自信に満ちた様子で成長を確信している様子こそ、私にとって何よりのご褒美です。
5年担任 稲光千賀子
登録日:2016年5月 6日/更新日:2016年5月 6日