2月18日(木) ことばのたからばこ
登録日:2016年2月18日/更新日:2016年2月18日
「心に残ったのは、そんな時、楽器の音はますますうつくしくひびき聞く人の心を揺り動かすのでしたというところです。なぜなら、スーホが馬頭琴を弾きながら、白馬といっしょの時間を思い出し、白馬は天国からスーホを見守ってくれていると思って心があたたかくなってくるからです。そして、スーホと白馬は深い愛のきずなでつながっているんだなぁと思いました。」
2年生は、国語科で『スーホの白い馬』の学習をしています。
この作品は昔から教科書に載っている名作のひとつです。
子どもたちは、ひどいとのさまに腹を立てながらも、スーホと白馬の心の結びつきの強さに感動します。
今回の学習は、自分が心に残ったところを選んで、その理由を書くという方法で進めてきました。
子どもたちには、自分の気持ちにぴったりの言葉を選んで書くように声をかけますが、
なかなか上手に言葉を紡げずに苦戦している子もいます。
「スーホは、えらい。」「白馬は、すごい。」「とのさまに、むかつく。」など、
さらりと自分の気持ちを簡単な言葉で書いてしまう子がいます。
そんな時、
「これが、ほんとうにぴったりの気持ちなの? 気持ちにぴったりの言葉を探して、自分の中に言葉を育てなきゃ。」
そう声かけをすると、ちょっぴり真剣な顔つきになって、考え直そうとしてくれるその姿が嬉しいです。
もちろん、教師の言葉かけだけでぴったりの言葉を見つけ直すのは難しいので、
必要に応じて、代わりになりそうな言葉を提案したり、子ども達から出たお互いにいいなと思った言葉を
書きためたものを『ことばのたからばこ』として教室に掲示しています。
(『ことばのたからばこ』は光村図書の国語の教科書にも簡単なものが載っているのですが、
自分たちのクラスオリジナルのものの方が、親しみがもてるようです。)
【愛し合っている】【しんらい】【かぞくみたい】【きずな】などいろいろな言葉がみつかります。
子どもたちの方からも
「先生、いまの○○さんの言葉よかったね。新しい言葉がみつかったね。」
という声がきかれ、いいなと思う言葉を意識して集めようとしてくれているのが伝わります。
『ことばのたからばこ』に書かれた「あいしている」「兄弟みたいな」という表現を、
自分の気持ちにぴったりだと感じた他の子が使うことも増えてきています。
「教室自体、教師自体が子どもたちの言語環境を作っている」
これは、いつも私の気持ちを引き締めてくれる言葉の一つです。
授業でのやりとり、教師の発言が子どもたちの言葉を形作っていく。
子ども達が、より豊かに言葉を使い、活用できるようにするには、どうすればいいのか
様々な場面で少しでも子どもたちが言葉を豊かにできるように工夫しながら
毎日をすごしていきたいなと感じています。
2年担任 本木 千紗子
「クラスのみんなで 集めたことばのたからばこ」
登録日:2016年2月18日/更新日:2016年2月18日