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授業紹介 クローズアップ

授業紹介 クローズアップ 1月号 宗教 『ノアの箱船』~神様のお告げから対話を学ぶ~

登録日:2014年1月20日/更新日:2014年1月21日

宗教担当 上林 護

 今、ノートルダム学院小学校では「お互い共感する対話力育成をめざして」と題して相手への尊敬と信頼感、共感的対話力を育てる授業について考えています。
 宗教の時間ではお祈りや黙想することによって、神様と対話すること、目には見えない大切なものと対話することなどを大切にしています。目には見えないものとは、自分の心を見つめなおし、自分や友達の未来や夢について、希望や愛について考えることです。

<聖書の授業>

 聖書にはイエス・キリスト以外に主人公と呼べる登場人物がたくさん出てきます。旧約聖書ではノアやアブラハムやモーセ、サムエルやダビデがそうで、新約聖書ではペトロやパウロがいます。そして彼らにはある一つの共通点があります。それは、神様のお告げ(お話)を聞いて、神様の言う通りに主人公たちは行動したということです。

 今回、4年生の授業では旧約聖書の主人公の一人であるノアにスポットを当てて『神様のお告げ』という授業をしました。
 ノアは神様のお告げを聞いて箱船をつくりました。その船はノアの家族と世界中の動物たちを載せる、とても大きな船です。寸法も正確に決まっていました。神様は言葉だけで箱船の作り方をノアに教えました。設計図も縮小モデルもありません。言葉だけです。もし、ノアが神様のお告げを聞き違えて箱船を作ってしまったら、船は沈んでしまいます。逆に神様が言い間違えたり、言い忘れたりすることがあれば、箱船は沈没してしまいます。
 授業『神様のおつげ』のルールはこうです。神様役の子どもが絵で描いた箱船を自分の言葉だけでクラスのみんな(ノア役)に説明します。それを聞いたノア役の子どもたちが神様役と同じ箱船を描くことができたら成功。神様役は出来るだけ多くのノア役の子どもたちを救えることができたら成功です。
 子どもたちは神様役(おつげの送り手)とノア役(おつげの受け手)になって、ノアの箱船の神様の気持ちとノアの気持ちを考え、そこから対話育成につながる伝える側の態度と聞く側の態度についての気づきや発見を促す授業をしました。

<今回の授業>

授業ではまず『ノアの箱船』の絵本を紹介しました。おおまかなストーリーを説明したあと、子どもたちに「今日はみなさんに神様になってもらいます。」と告げると、「エッー!」と子どもたちから驚きの声が上がりました。

授業の内容と「神様のお告げ」のルールを説明すると、子どもたちの表情はノアのためにどんな箱船をデザインしようかとワクワクしています。

みんなに見られないように机を離し、ワークシートを受け取ると、子どもたちは目をキラキラさせながら、自分が考えた箱船のデザインを描き始めます。

「ぼくは船が攻撃されないように大砲をつける!」

「動物たちが退屈しないようにわたしは船の上に遊園地をつくる!」

「先生!潜水艦はOKですか?」

「おお!それいい!!」

ここですかさず、ルールの確認をします。

「どんな箱船をデザインにしてもいいけど、言葉だけでノアさんにちゃんと伝わるような箱船じゃないとノアを助けられないよ。」「凝った箱船だと、みんなを救う船にならないよ。」

 今度はたくさんのノアたちを助けるためにできるだけシンプルにしたり、伝える言葉が聞きやすい言葉になっているか確認したり子どもたちは工夫しはじめます。

 全員が箱船のデザインができたところで、発表です。
 神様役は船のデザインを自分の言葉で伝えます。ノア役の子どもたちは神様のお告げですから、しっかり相手の目を見て、頷きながら、愛情をもって神様のお告げを聞き取って、言われた通りの絵を描きます。
 一人目の神様役の子どもは図形でできたヨットをデザインして発表しました。説明も簡潔でとてもわかりやすい発表でした。

 ノア役の子どもたちもしっかり神様と同じ絵を描くことができました。ほとんどのノアたちを救うことに成功しました。
 ノア役に感想を聞くと「わかりやすかった。」「簡単だった。」という答えが返ってきました。  神様役にも感想を聞くと「たくさんのノアを救えてよかった。ねらい通り皆が知っている図形で船をデザインしたからうまくいった。」という答えでした。

 二人目の神様役の子どもは大砲のついた戦艦型の箱船を発表しました。言葉にするのは難しい船でしたが、「大砲の砲筒は時計の2時の方向をむいています。」など、とてもよく考えられた説明で、たくさんのノアを救うことができました。

 後で神様役に感想を聞くと、「正確にみんなに伝えるのはすごく大変だった。」「ちゃんと伝えているのに丁寧な言葉じゃなかったら、ノアたちが文句を言うので、神様の大変さがわかった。」「ノアたちが文句言い過ぎ!神様が人間に対して罰を与えたくなる気持ちが分かった。」
 一方、ノア役の子どもたちは「ぼくたちがしっかり聞く姿勢(相手の目をみること・話を聞いて頷くこと)をしてないと神様が早口になったりして丁寧に説明してくれない。」「わからない!といって神様に文句を言ってしまった。ごめんなさい。」などでした。

 子どもたちは神様の役を通じて、人に何かを伝えるにはどんなことに気をつけたらよいのかを学びました。根気よく伝えること。やさしい丁寧な言葉で伝えることなど。いろんなことに気がついたようです。また自分の話をどんな姿勢で聞いてほしいかも、ノアたちの聞く態度から学びました。そして、旧約聖書で描かれる神様の人間に対する気持ちも少しだけ気がついたようです。

<友達同士が対話すること>

 学校の先生や施設や伝統から全てのことを子どもたちは学ぶことはできません。学校生活を通じて、そしてなによりも子どもたち同士の健全な対話を通じて、感じたり知ったりする友達の心を感じることによって子どもたちは成長していきます。宗教の時間以外でも人と人の関わり合いの中で「目には見えない大切なもの」を感じる心を育んでいってほしいです。

NDトピック

『ノアの箱船』のあらすじ

 地上に増えた人々が悪を行っているのを見て、神は人々を洪水で滅ぼすことにした。しかし、神と共に歩んだ正しい人であったノアとその家族は助けることにした。そこで神はノアに箱船の建設を命じた。

 箱船はゴフェルの木でつくられ、三階建てで内部に小部屋が多く設けられていた。箱船の内と外は木のヤニで塗られた。ノアは箱船を完成させると、家族とその妻子、すべての動物のつがいを箱船に乗せた。洪水は40日40夜続き、地上に生きていたものを滅ぼしつくした。水は150日の間、地上で勢いを失わなかった。その後、箱船はアララト山の上にとまった。

 40日のあと、ノアはカラスを放ったが、とまるところがなく帰ってきた。さらに鳩を放したが、同じように戻ってきた。7日後、もう一度鳩を放すと、鳩はオリーブの葉をくわえて船に戻ってきた。さらに7日たって鳩を放すと、鳩はもう戻ってこなかった。

 ノアは水が引いたことを知り、家族と動物たちと共に箱船を出た。そこに祭壇を築いて、焼き尽くす献げ物を神に捧げた。神はこれに対して、ノアとその息子たちを祝福し、ノアとその息子たちと後の子孫たち、そして地上の全ての肉なるものに対し、全ての生きとし生ける物を絶滅させてしまうような大洪水は、決して起こさない事を契約した。神はその契約の証として、空に虹をかけた。

 旧約聖書「創世記」6章~9章

 

登録日:2014年1月20日/更新日:2014年1月21日

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