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学校長メッセージ

学校長卒業式式辞 ―第55回 卒業式―

「第55回 卒業式」における学校長式辞を掲載いたします。

第55回 卒業式 学校長式辞

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 ご来賓の皆様、本日はご公務ご多忙の中、この式にご臨席くださいましてありがとうございます。

  保護者の皆様、お子様のご卒業、まことにおめでとうございます。 

 6年生の皆さん、あらためて、卒業おめでとう。

 皆さんに2つのことばを贈ります。 

 みなさんは、「田中将大(まさひろ)」という人を知っていますか。

 そうです、プロ野球の東北楽天イーグルスの選手です。彼は、去年、大車輪の活躍をして、楽天イーグルスを初めての日本一の座へと導きました。野球を知らなくても、「マー君」というあだ名で呼ばれているといえば、「あ、聞いたことがある」という人もいることでしょう。

 野球の試合は1チーム9人で、相手のチームと点数を争います。1点でも多く取ったチームが勝ちです。攻撃側はバッターがピッチャーの投げるボールを打って点数をとろうとします。守備側は、しっかり守って相手チームに点数を与えないようにします。そしてイニングごとに攻撃と守備を交代して9回まで戦うのです。

 その野球では、ピッチャーの役割がとても重要です。なぜかと言うと、バッターがヒットやホームランを打って、相手チームから点数を、たとえば10点取ったとしても、ピッチャーが11点を取られたら負けてしまうからです。また、たとえわずか1点しか取れなくても、ピッチャーが相手打線を0点に抑えてくれたら1対0でチームは勝つのです。それほど、ピッチャーの果たす役割は大きいのです。 

 田中将大選手は、そのピッチャー・投手です。そして、プロ野球選手になって7年目の去年、なんと開幕から24連勝しかも負けなし、24勝0敗という信じられないような記録を、この先、それが破られることはないだろうとも言われるほどの大記録を打ち立てました。そして、来月からは世界の野球の頂点と言われるアメリカのメジャーリーグ・大リーグに挑戦するのです。

 田中投手は、高校生の時も、夏の甲子園で、エースピッチャーとして全国優勝・準優勝とチームに貢献しました。高校での最後の試合を終えたあと、彼が書いた色紙が、これです。
 
駒大苫小牧高校 田中将大 エースナンバーの1、そしてサインした日付の2006年10月10日とあります。そして、名前の横に、今は紙を貼って隠していますが、田中投手の好きな言葉、目標とする言葉、モットーが書いてあります。それは何だと思いますか。 

 みなさんは5年生の時、遠泳に向けて、漢字で意気込みを表しましたよね。「絆」とか、完泳の「完」とか、忍耐の「忍」や「耐」、克己-己に打ち克つの「克」、そんな漢字を命札に書き記して、遠泳に対するやる気を示しましたね。

マー君のモットーは...漢字とひらがな3文字です。何でしょう。 

 それは、「気持ち」です。 「気持ち」、つまり「強い気持ち」を持つことです。

 田中将大は、高校生の時だけではなく、今も「気持ち」をモットーとしています。その理由は、今の彼のオフィシャルブログのタイトルが「気持ち」だからです。

 田中将大の強い気持ちは、どんな時に発揮されてきたのでしょうか。

 それは、ピンチの時です。ここで打たれたら点数を取られる、試合に負けるという時のピッチャーにかかる精神的な負担-ストレスはものすごいものです。そのピンチに、田中投手はとにかく強いのです。ヒットを打たれたり、味方がエラーをしたりしてピンチを招くと、彼は、より一層するどいボールを投げて、相手に点を与えないのです。そうでなければシーズン24勝無敗などという不滅の金字塔は打ちたてられません。マー君というと、なんだか優しくてかわいい感じを与えますが、田中将大は恐ろしいほどタフな精神力の持ち主です。 

 私は、今日、このノートルダム学院小学校を巣立つ君たちへ、田中投手が常に忘れず大切にしている、座右の銘のこの「気持ち」を贈ります。これからの長い人生の道のりには、必ずどこかでピンチが待っています。男女にかかわらず、そういう時に、逃げず、ひるまず、あきらめず、強い気持ちで乗り越えるのです。田中投手のように、ピンチの時に、自分の中に秘めている、強い精神力を発揮してください。そして、君たちは強い気持ちの素地、その基礎を、実はもうこの学校で身に付けているのです。強い気持ちの持ち主になるためのトレーニングを受けてきているのです。その真骨頂、言葉を代えれば、一番苦しかったトレーニングが、遠泳のはずです。

 君たちが全員、完泳を果たすために、私が贈ったエールを思い出してください。

 4つの信頼でしたね。

 先生を信じ、仲間を信じ、自分を信じ、そして神様を信じるようにと言いました。それに君たちは応え、見事に目標を達成しました。その4つのうちの最後の、神様を信じる、ということについて、私は2つ目のはなむけの言葉を皆さんへ贈ります。

 それは、「乗り越えられない試練を、神様はお与えにならない」です。もう一度、言います「神様は、乗り越えることのできない試練をお与えにならない」です。

 強い気持ちとこれまで何度も繰り返して言ってきましたが、それは強気とか気が強い、絶対にNoとは言わないなどという意味ではありません。強気だから勝つ、強気だから試練を乗り越えられるのではないのです。厳しい試練の状況をよく考え、解決に向けて仲間と相談し、先輩にアドバイスをもらい、神様の後押しを乞い願いながら、自分を信じ、自分に自信を持って、解決の方法を決めて実行するのです。 

 おとといの宗教放送で、今日の福音からとして、マタイの第7章を紹介しました。その一節には、「求めなさい。そうすれば与えられる」という言葉がありました。求めなさい、神様に。「試練を乗り越えるための強い気持ちをください」と。

 そして、この学校で6年間、そうしてきたように、これからも毎日、どこにいてもお祈りを重ね続けて、神様にお力添えを願いなさい。そうすれば、神様はきっと君に大きな力を与えてくれるでしょう。

 それを信じて夢多き未来へ羽ばたいて行ってください。


(2014年3月15日)

登録日:2014年3月16日/更新日:2014年3月17日

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