学校長メッセージ ＜2015年度＞

『 竣工 』

ノートルダム学院小学校　校長 行田　隆一

　

　創立60周年記念の一大事業であり、北山キャンパス総合整備計画の一環としても位置付けられた、新校舎建築を始めとする本校の施設拡充整備工事の竣工式が、2014年10月４日に執りおこなわれました。
　式には約80人の来賓の方々が列席してくださいました。その中には、設計と施工の両会社の方々、父母の会と同窓会の歴代の会長様や役員様と現役員の皆様、女学院・女子大・法人関係者、修道女会のシスター方、そして他校からのご来賓として、海外からお越しの校長先生が３人いらっしゃいました。韓国の姉妹校である小花（ソウハ）初等学校のシスターマオラ校長先生、オーストラリアの姉妹校St. Francis Xavier's（セント フランシス ザヴィエル）校のブランドン校長先生、そして姉妹校同然のお付き合いをしているアメリカのBlessed Sacrament（ブレスィッド サクラメント） 小学校のクレア校長先生でした。このお三方は、前日３日の４時間目、講堂でおこなわれた歓迎会で全校児童に温かいメッセージを贈ってくださいました。こちらからは、ディスカバリーだけではなく、定期的な児童同士の交流をこの先もずっと続けていただきたいとお願いしました。
　竣工式の中で、本校児童代表の二人が、建築工事の設計・施工会社の代表者へ心を込めて感謝の手紙を読み上げたところ、式後、参列された両社の全員の方々から逆に大きな感謝のおことばをいただきました。しかし、設計については最初の打ち合わせから５年以上、そして2011年８月の新館（特別教室棟）とナザレトの家の解体工事を始まりとすれば３年余りの施工という、共に長い年月にわたり、本校の建築委員会のメンバーと協議を多数重ねながら、誠心誠意、この工事に携わってくださったことを思い浮かべる時、両社に対しては感謝の二文字しかありません。
　竣工式に続いてお茶室開きがありました。素晴らしい扁額をご寄贈くださった裏千家様からは、お家元の代行とそのお付きとして、本校卒業生でもあるお二人が除幕式においでくださいました。そのことについても、この紙面を借りてあらためて御礼を申し上げる次第です。
　12月８日の創立60周年記念式典には全校児童が出席しました。ただし、会場の関係で３年生以下は自分たちの教室でテレビ中継を通しての参加でした。４年以上が集った講堂には100人余りの参列者の姿がありました。その中には、旧教職員の懐かしい顔ぶれも見られました。式に続いて、元同窓会会長様より、グーグルアースを使った、子ども達への熱いメッセージ『あなたがかわれば世界がかわる』が披露されました。大先輩から後輩へ、グローバルな視野の重要性が強調されました。
　式典以外に紹介したい記念のイベントのひとつに記念写真の撮影があります。航空写真は10月23日の午後、秋晴れの下でおこなわれました。900人を超える児童と教職員で作った『ＮＤ６０ 2014』の２段の人文字が大運動場の人工芝の上に広がりました。写真会社の方がセスナ機と連絡を取り、ハンドマイクで児童と教職員へ指示を出します。「まっすぐ前を向いて動かないでください。」頭上の旋回音を聞きながら、時々、セスナ機を上目づかいで追いつつ、みんなじっと佇んでいました。そのあとで小運動場へ移動し、新校舎の西側を見上げる格好での集合写真を撮ってもらいました。こちらは、直立不動だけでなく、ピースサインをしてのなごやかなポーズも求められました。
　10月20日におこなわれた学院祭バザーにも『創立60周年記念』が冠されました。会場は前年と比べるとかなりの変化です。前年、つまりおととしは旧校舎中央棟と西棟が残っていたのです。しかし、今回は新校舎のみでした。バザーへ来てくださったたくさんの方から「すっかり変わってしまいましたね」と言われました。「そうなんです」と答えて、旧校舎の写真集が出されたことをお知らせしました。その写真集も、この周年記念が生み出したとても大切な記録となりました。
　ともあれ、校史に大きく刻まれるべきこの一大建築工事は、多くの工事関係者やノートルダムファミリーの方々のご協力を仰ぎつつ滞りなく終了しました。それに対する深謝として学校がおこなうべきことは、新装なったこの教育環境で、在校生と保護者の皆様、同窓生、ノートルダムにかかわるすべての方々のご期待に応える教育実践以外にないと考えております。

 

2014年度後期「父母の会会報」167号掲載
（2015年3月14日発行）

登録日：2015年4月 7日／更新日：2015年4月 7日