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授業紹介 クローズアップ

授業紹介 クローズアップ 4月号 「ノートを通して、学びを深める ~5年算数~」

登録日:2014年4月20日/更新日:2014年11月 5日

ノートを通して、学びを深める~5年算数~

研究部 花岡みゆき

 

昨年度、本校研究部は、「感じる心・考える力~豊かな対話の条件を探る~」を目標に

4つの視点(雰囲気作り・声かけ・聴く・教材の提示)から、対話指導・対話活動の実践を交流し、対話力を引き出すポイントを探ってきました。

 1404jugyoushoukai1

 まず、自分で考え、発表し、友達の意見を聞いたり、話し合ったりする中で、自分の考えが深まり、理解力・思考力を高めることができます。「対話」=「話し合い」ととらえるのではなく、対話の相手が、「自分」「他者」「もの」「神」を対象とし、学習や学校生活の中で、自己がより高まるための「対話」の場面を認識し、有効に「対話」するための条件を研究してきました。
 その中で、やはり、安心して自由に発想し、発表できる場が必要です。その場は、もちろん学校・学級であり、学習集団そのものを指します。すなわち、学級経営、学習集団の雰囲気作りが、まず根底になくてはならないという結論に至りました。
 そこで、本年度は、学級経営や学習集団の雰囲気づくりを土台にして、児童の学びを深めるために、さらに、3つの視点(声かけ・聴く・教材の提示)から研究を進めることになりました。

 私は、本年度「聴く」という視点から、取り組むことにしました。児童が、ただ、友達の意見を「聞く」のではなく、考えながら、あるいは、自分の意見と比較しながら「聴く」姿勢が身につくことで、児童自身の考えが深まり、理解が高まることを期待しているからです。
 筑波大学附属小学校の田中博史先生の書かれている雑誌(「算数授業研究VOL.91」東洋館出版社)の中に、

  「聞き手の反応を感じながら説明する」
  「友達の話をしっかりと『聞き取る』」
  「座ったままで自然に質問する」
  「立ち上がって聞く」

という、子どもたちの姿が映しだされていました。一人一人もそうですが、学習集団全員が、ともに賢くなっていく実感を味わう授業づくりを目指したいと考えています。

  4月。進級し、心新たにスタートを切りました。各教科で使用するノートも新しくなり、新しいページを前にして、子どもたちも緊張気味です。

 学習の中で、お互いの意見を聞きあうためには、まず、自分の意見をもっていなくてはなりません。自分で考え、それを言葉で表現するのです。そのために、ノートは必需品となります。
 どんなノートが良いとされるのかを、子どもたちに尋ねました。
  「ていねいな字」
  「つめすぎて書かない」
  「大切なところが一目見てわかる」
  「整理されている」
等々、「良いノート」のイメージはしっかりあるようです。
 「自分だけのノートづくり」を提案しました。「良いノート」のイメージとともに、自分の考えや、友達の意見を書いたり、間違ったときは、どこを間違ったかを書いたりすることも勧めました。また、大切なところが目立つように、オリジナルの大切マークがあってもいいのではないかと話しました。

 5年 小数

150×0.5  150   150×1 □ 150   150×1.5 □ 150

 ホワイトボードに上のように書き、「□の部分に不等号を入れましょう」と問いかけました。子どもたちは、すぐにノートに書き写し、考え始めました。すぐに答えを書く子、計算する子、考え込む子さまざまです。
 答え合わせをするために、3人の子どもたちが、書き込みます。

150×0.5 < 150   150×1 = 150   150×1.5 > 150

 それぞれについて、なぜそう考えたのかの発表をさせず、すぐに以下の問題を提示しました。

25×0.7 □ 25   25×1 □ 25    25×1.2 □ 25

 ほとんどの児童が、今度はすらすらと問題を解き始めました。

25×0.7 < 25   25×1 = 25    25×1.2 > 25

 2つの問題を解き終えた後、これらを見て、気がついたことがあれば書いてみようともちかけました。
 5年生になって初めて、自分の考えをノートに書き込む瞬間です。何とか書きたいと思っても、未履修の事項なので、思いつかない児童も多くみられました。
 児童のノートから

0.5とか0.の時、かけられる数よりも小さい。

 △×0.□は△×0.□こ分だから、1÷2=0.5 1より小さくなると△よりも小さくなり、1より(途中まで)

 0.7や0.5をかけると数は小さくなり、1.5や1.2などの1より大きい数をかけると数は大きくなる。

IMG_0857 IMG_0851

 この後、積とかける数・かけられる数の関係について、まとめました。類題もスムーズに解くことができました。
 また、わり算についても調べました。かけ算で学んだことを生かし、理解も早くなりました。

IMG_0854

オリジナルの大切マークも工夫しています。

IMG_0853 IMG_0845

 まだ始まったばかりの取り組みですが、ノートに書くことに抵抗は少なくなっているように思います。

 子どもたちに書かせるだけでなく、こちらの励ましを伝えるために、週1回ノートを集めることにしました。工夫している点はほめ、より良いノートにするためのアドバイスをします。「良いノート」は、子どもにも紹介しようと計画しています。
 同時に、発表しあう場を増やしたいです。まず、自分の考えを発表するためには、しっかりと自分の考えを持っていなくてはいけません。そのために、ますますノートの必要性を感じることでしょう。また、質問や意見に答えることで、考えが深まります。友達の意見を聞くことが、より理解を深めることを実感してほしいです。

IMG_0859 IMG_0860

 

 ~最後に~

  「徳と知」を建学の精神に掲げる本校は、児童の自律を促す教育活動を行っています。本学園のミッションコミットメントにあげられる「尊ぶ」「対話する」「共感する」「行動する」の4つの柱のうち、特に「対話する」に焦点を絞り、研究を進め、本年度で4年目になります。まだまだ研究の途中ですが、今までの研究の成果を発表させていただく機会を計画しています。

  2015年2月13日(金)です。ぜひ、お越しくださいませ。

登録日:2014年4月20日/更新日:2014年11月 5日

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