6月7日(金) ネパールノートルダムバンデプール校体育支援
登録日:2013年6月 7日/更新日:2013年6月 7日
『ネパールバンデプールの子どもたち』―運動とのかかわり― という題でNDダイアリーに3回《6月7日(金),10月8日(水),1月8日(水)》お届けします.第1回目は【子どもたちの遊びとその地形環境について】です.
<ネパール地図>Wikipediaより転載
先ず,バンデプールの場所からご紹介しましょう.バンデプールは首都カトマンズから西に離れること約115km,国道(ネパールではこの道をハイウェイと呼んでいます.日本の高速道路を予想しないでください.ポカラやインドに通じる唯一の道です.)を車で走ること約5時間30分(順調に走って)ようやくバンデプールの玄関口に辿りつきます.そこから30分ばかり急な山道を登るとバンデプールに着きます.バンデプールの町は海抜1000mの高所にあります.これだけで,今回お話する内容が想像できるのではないでしょうか.
ダイヤモンド社 「地球の歩き方 ネパール」より 許可を得て転載
では本題に入って行きましょう.
バンデプールには公立の小学校が二つ,中学・高等学校(併設)が一つ,私立の小学校・中学校・高等学校(併設)が二つあります.バンデプールのノートルダム校(幼稚園から12年生まで)には広場が二箇所あります.大きさは縦約7m,約横34mです.一つは一部芝生が生えていますが斜面状で,もう一つは半分が石ころだらけです.
朝はコケコッコウの鶏の声,犬のほえる声,牛の餌をねだる声で起こされるためか,停電で早寝をするためか分からないのですがとても早いです.学校の始まりは9時30分から10時15分の間が常識です.土曜日,日曜日は午前7時45分にはビー玉や石蹴り,ビリヤードゲーム(一辺80cmの正方形の台の四隅に直径5cm穴が開いており,台の中央に置かれた直径4cmの平な玉を自分の玉で四隅の穴に入れていきます.中央に置く玉は2人でするか,4人でするかによって異なります.),カード合わせゲーム,ボール運動(空気の入ってないボールを使用→フットボール,バレーボール)に興じています.彼らの遊び場は,家の軒下,狭い道路がほとんどです.また,道には平たい石がひかれています.雨水が流れるようにところどころに段差があります.バンデプールの地域には子どもの遊ぶ広い場所はとても少ないです.京都ノートルダム学院小学校のグランドのような広場はツンディケル(地名)に一つあります.が,廻りには塀がなく,投げたり,蹴ったりした場合ボールが崖の下に落ちてしまうケースが多く子どもたちはそこでは遊んでいません.
チィンダラ(地名)(ダラとは水を確保できる場所で体を洗うことも,洗濯することも,水を汲むことも可能です.常に蛇口をひねると水が出てきます.)はこのあたりでは最も大きく,設備の整った洗い場であり,土曜日,日曜日には家族総出で水汲みや洗濯や水浴にやってきます.そのチィンダラを見学したとき,その近くで子どもたちの遊び場を発見しました.広さは狭く前日の雷雨で土が流れ込み,どろどろになって,10人くらいの子どもたちがその修復に励んでいました.このように子どもたちの遊びの環境は非常に悪いです.また,運動着や運動用具を売っている店も全く見当たりません.それを手に入れるためには遠くの町まで出かけなくてはなりません.このように子どもの遊び(体を動かすこと)の環境は場所も用具も含めて我々の予想以上によくない状態でした.
三笠 正治
登録日:2013年6月 7日/更新日:2013年6月 7日