1月16日(木) 漢詩の朗読
登録日:2014年1月16日/更新日:2014年1月16日
1月15日、朝礼集会で4年生の詩の朗読を聞きました。後期前半で覚えた漢詩と草野心平の詩です。
「呼吸と声」「発音と言葉」「斎藤メソッドを応用した作品の音読」など、音声言語活動を主眼点とした特別国語の授業内容の中に、古典の作品を原文のままで、暗唱させることを取り入れました。
4年生は漢詩を暗誦します。プリントには読み方と内容を載せておきますが、授業として扱うわけではありません。もっぱら覚えることと、群読です。昔行われた論語の素読に似ています。
「国語科の中に何故漢文を?」とか、「何故漢詩の朗読を?」などの質問に答えるためには相当の紙数を必要とします。今それを全部割愛して、端的に述べるとすれば、歴史的な過程を経て、現在、漢詩文も訓読法によって日本語の一文体として位置付けられているからなのです。
現行の訓読法は原文に最低限度の訓点をつけて、日本語として理解可能な形に変えたものです。この文体は漢語の比重が高く、和語とは違った響きとリズムを感じさせてくれます。子供たちにとって、それは快いものとなり、覚えることに左程の抵抗も示しません。「漢詩の暗誦は好きだよ」との声も出てきます。体の中に取り入れた文体やリズムや言葉は、いつか必ず本人の日本語力を育てる土壌を造っていくでしょう。
五つの母音で終わる日本語は耳に快く響く、美しい言語です。世界に誇れる言葉なのです。言葉は文明と共に生まれ、文明とあいまって言葉は豊かになります。未来の日本語を託する子供たちの言葉の文化が、ひどく気になる現代社会、この頃です。
1月16日 シスターアンミリアム木村
登録日:2014年1月16日/更新日:2014年1月16日