12月9日(月) 銀杏と思い出
登録日:2013年12月 9日/更新日:2013年12月13日
紅葉も盛りをすぎつつあり、北山通りや東大路通りを美しい金色で飾っていた街路樹の銀杏もかなり散ってまいりました。
本校も校舎の東側に、銀杏の木が植えられています。ベテランの先生にお聞きすると、多分、創立以来、校舎の東側を飾っているであろうとのことでした。今年も、校舎の東を艶やかに金色に染め、そのあと、地面を黄色に染めていました。最近、児童達が、朝、落ち葉を掃いていますが...。なかなか追いつかず、ご近所の方々にとってはご迷惑であるかもしれませんが(申し訳ございません)、そこを通って通勤する私は、「美しいなあ」と思っています。そして、遠い数十年前の小学校時代のことをいつも思い出します。
私が、6年生在学時、担任の先生は、大変厳しくて有名な先生でした。また、特に、理科的なことに造詣が深く、自然をこよなく愛しておられると感じる先生でした。当時は、まだ、土曜日の午前中は授業があり、私は、その土曜日に、大概お弁当持参し、午後は残って遊ぶという呑気な小学生でした。
ある土曜日の午後、担任の先生が、校舎外の手洗い場で、ザルに何かを入れて洗っておられました。「先生、それ何?」と多分聞いたことでしょう。先生は、銀杏の実を洗っておられたのです。銀杏の実は、匂いがきつく、また、その汁で手がかぶれることもあるそうですが、先生は「大丈夫や」と仰って、ざぶざぶ洗っておられました。
恥ずかしながら、その時、初めて、銀杏の実=「ぎんなん」だと知り、とても驚きました。そして、そんな、食べられるものが、ごろごろと落ちているのだ!と感激して、「くさい、くさい」と言いながら、友達と集めて先生に渡して、洗って頂いたように思います。
先生は、洗ったあと干したぎんなんを後日分けて下さいました。ものすごく得した気分になっていたことでしょう。
私にとって、厳しかった先生とのほんわかした大切な思い出です。
私も、今の子ども達にこんな思い出を残したいと思いながら、反省しながら銀杏を見ています。
6年担任 田島 美穂
登録日:2013年12月 9日/更新日:2013年12月13日