11月20日(水) 「先進国における子どもの幸せ」について
登録日:2013年11月20日/更新日:2013年11月22日
出典:ユニセフ・イノチェンティ研究所『Report Card 7』研究報告書の全訳:日本語版PDF「先進国における子どもの幸せ」
このグラフは、ユニセフが2007年に行った「先進国における子どもの幸せ」について調べたアンケートの結果です。先進国の15歳児に、「あなたは疎外感を感じるか」「あなたはぎこちないところがあり、場になじめないと感じるか」「あなたは孤独だと感じるか」という3つの質問を行いました。上から順に、濃い青が「あなたは疎外感を感じるか」薄い水色が「あなたはぎこちないところがあり、場になじめないと感じるか」水色が「あなたは孤独だと感じるか」という質問に「はい」と答えた子どもの割合を示しています。このグラフを見て解かるのが、日本の子どもは「ぎこちないところがあり、場になじめないと感じる」「孤独だと感じる」と答えた数が先進国で一番多いということです。特に「孤独だと感じる」と答えた子どもの数がとても多いということです。
私は大学時代、このグラフを見たときに、「孤独と感じている子どもたちの人格形成は大丈夫なのか」「今の日本の子どもは学力低下の問題よりも、はるかに大きな問題を抱えているのではないか」と感じました。そして私はこの問題に取りかかろうと思い「子どもが孤独だと感じない居場所作り」「子どもが孤独だと感じない関係作り」を念頭に様々な取り組みを行ってきました。
その中でも、私が学生時代に4年間、取り組んだ不登校児童の支援のボランティアが今の私の教育観につながる、よい経験となりました。いろいろな悩みを抱えた子どもたちと向き合う中で、私が感じたのは「子ども一人ひとりが心の壁を持っている」ということ。でも「その壁は、しっかりとした関係を作り、話し合うことで壊すことができる」ということでした。
その場所に来る児童の多くは、はじめ、厚い心の壁を持っています。最初は自己紹介をして、隣に座り本を読む、おかしを一緒に食べるなどしかしません。しかし、数日すると、近くにいる相手に聞きたいことや、不思議に思うことが出てきて、少しずつ会話がはじまります。そして、数週間経った頃には、なんの違和感もなく日常的な会話をしたり、遊んで笑ったりできるようになります。最後には、私だけでなく、同年代の子どもたちと打ち解け、話せるようになります。
このようなステップをいくつか踏む中で、私は、子どもの心の壁を失くして話せるようになり、このような関係作りの連鎖が疎外感や孤独を感じる子どもを減らせるのではないかと思うようになりました。
そして今、担任を行う中でも、そこでのノウハウを生かし、子どもに寄り添い、話し合い、お互いに理解し合える関係の中で、学級を動かすことを意識して頑張っています。まだ、今の努力がどのような形に結びつくかわかりません。私にできることは、子どものそばに寄り添い続けることだと信じ、つらぬきたいと思います。
皆さんは、この課題にどのように取り組むのが正しいと思われますか。
3年担任 伊藤直之
登録日:2013年11月20日/更新日:2013年11月22日