1月8日(水) ネパールノートルダムバンデプール校体育支援
登録日:2014年1月 8日/更新日:2014年1月 8日
『ネパールバンデプールの子どもたち』―運動とのかかわり―
【課題と今後について】
▽ インフラ整備について
なんと言ってもネパール国のインフラ(産業基盤である社会資本への投資)対策が急務であると強く感じました.日本政府もネパール国の教育に多くの援助をしていると,シスターたちから聞きました.が,私学の学校への援助は皆無だと悔やんでおられました.バンデプールでは各地で家が建てられています.それにつれ,ケーブル施設の工事が始まり,水道施設に関わる話し合いも始まっています.順調に進められることを祈っています.
▽ 体育用のユニホームについて
バンデプールのND校の園児,小学生,中学生,高校生たちは制服を着て登校,下校します.体育の時間もその制服の状態で行います.海抜1000メートルのところですから涼しいのではないかと思いでしょうが,乾季の日中は日本の夏の気温と変わりません.バナナもマンゴーもスイカも収穫されます.少し体を動かすと汗をびっしょりかきます.朝,晩は涼しく,日中は蒸し暑さを感じます.しかし,この暑さの中で,体操服も着ず体育をするのですから体にはよくありません.経済的に恵まれない家庭から通学するこの学校のこどもたちですから致し方ないのかも知れませんが,動きやすい服装で思い切り体を動かして汗をかいて欲しいと思いました.(カトマンズやポカラの大きな町では,スポーツ店が沢山あり,学校でも体操服を着用し,サッカーの授業をしている風景を見ました.)
▽ 運動用具と器具について
石灰はなく,授業で使ったチョウクの粉を集め,それを手でラインを引いているのを見て驚きました.ボールの数もとても少ないです.しかし,運動用具や器具が揃っていれば身体能力を磨くことができるのかということですが,そうではありません.いかにそれを教師が使いこなすかです.また,教師の創意工夫によって必要と考えられるものを創るということが大切ではないかと思います.実際,シスターミリアムが1992年から始めた「セト グランス」『貧しい,働く母親を支援する育児プログラム』では施設長(ジャラダ先生→NDバンデプールの卒業生)とジャラダ先生のお父さんが創った竹の用具(竹はバンデプールに沢山生えている)が子どもたちの遊びに使われていました.私たちも持参したものでいろんな運動器具に変身させて利用することを現場で実践してきました.このことを考えれば,器具,用具のない不便さは指導内容の整備(カリキュラムの見直し)によって少しは解決できるのではないかと考えています.
▽ 運動広場の整備について
現状ではバンデプールND校には2つのグランドが存在します.しかし,以前にも紹介したように,土煙が舞い,石ころが転がり,でこぼこで余り活用されていません.そのグランドを整備することによって,子どもの体力アップと身体能力の向上は随分図られるのではないかと思います.そのためには,体を動かすことが他の教科の学習に大きな効果を上げることを教師や保護者に訴え理解していただくことが大切だと思います.そうすることによって了解が得られれば,グランド整備は保護者の協力ですぐに解決できるのではないかと考えています.
三笠 正治
登録日:2014年1月 8日/更新日:2014年1月 8日