10月16日(水) 「遊びをせんとや 生まれけむ」
登録日:2013年10月16日/更新日:2013年10月16日
朝、校門を入ると2年生、3年生たちが走り回り、飛び跳ね、夢中になって遊んでいます。その中を通り抜け、声をかけながら、挨拶を交わしながら玄関に向かう私の朝は最高です。子どもたちの動きを見ていると、鬼ごっこだって、大縄跳びだって、私もできるような気がしてくるのです。「ねえ、シスターも入れて」と思わず言ってしまいそうになって、はっと気が付き、「あっいけない!」と口を押え、そして、笑い出します。
まさしく、梁塵秘抄の歌そのものです。
遊びをせんとや生まれけむ たはぶれせんとや生まれけむ
遊ぶ子どもの声きけば わが身さへこそ揺るがるれ
そうです。「わが身さへこそ揺るがるれ」なのです。
チャイムが鳴って教室に入った子どもたちは朝の読書を始めます。そっと近づいて、読みに没頭している息遣いを感じる時、私の心は高鳴ります。
私たちがどうにかして教えたいと願うことを、子どもたちは自分ひとりで、自由になって、学び続けているからです。
何時間もの読解指導を重ねて、何とかしてこの名作の心に近づいてほしいと焦る私たちの思惑をするりと交わして、子どもたちは物語の虚構性を彼らなりに楽しんでいるのかもしれません。
だからと言って、何もしないでよいわけはありません。子どもたちが内に秘めている素晴らしい力を更に豊かなものにするために、何を、どのように準備し、何に気づかせてあげればよいのでしょうか。どのように、一人ひとりに寄りそってあげればよいのでしょうか。
絶えず探究し続ける私たちです。そのことのために、新しい朝がめぐってきています。最高の朝です。
シスターアンミリアム木村
登録日:2013年10月16日/更新日:2013年10月16日