丁度一ヶ月ほど前に、セキレイの卵を見つけたことをお知らせしました。4個だった卵は翌日には5個になり、母鳥は毎日卵を抱きに来ていました。最初は小さな音でも飛び去っていましたが、私達が危害を加えないことがわかったのか、そばに行っても母親然として翼の中で堂々と卵を温め続けているのです。翼や足を動かしながら、万遍に親の愛が行き渡るような仕草で卵を回しているのです。しかも、二羽の親鳥が交代でしているのです。これは驚きでした。
 ある朝、5個の卵は全部ひなにかえっていました。もう感激です。誰かにこの新しいひなの誕生を告げたくてなりませんでした。ほんとうはこの新しい命の物語を一番伝えたいのは子ども達だったのですが、それが出来ないのが何ともつらいことでした。せめて新館3階でお仕事をして下さっているお母様方にそっとお知らせしました。

 毎日何度も親鳥はエサをくわえてやってきます。5羽のひなたちは大きな口をあけて、お母さんの口から直接にエサをもらっているのです。その瞬間も上手に撮れましたのでどうぞご覧下さい。

 わたしは何度かパンのかけらを巣のそばに置いて観察しました。親たちはそのパンをくわえて飛び去り、しばらくして戻ってきてひなたちの口の中に入れてやっているのです。それがパンかどうかはわかりませんが・・。
 今では、殆ど親と同じくらいの大きさになっていますが、まだ親の口からエサを運んでもらっています。きっと、そのうちに広い世界に飛び立ち、エサも自分で見つけるようになるのでしょうか。

 周りを気にしながらも、しっかりと子育てをしているセキレイに、心洗われるこの頃です。

校長 シスターベアトリス田中