3月の初旬、女の子 人から突然「図工の先生に、クラス全員で寄せ書きを書いて渡したい」と相談されました。ん?図工の田中先生、今年で退職される予定だったかな、と一度考えましたが、そんな予定はありません。「来年も田中先生はおられるのだから、別に書かなくてもいいんじゃないかな。」と言うと、力強い口調で「いいねん。けじめやから。寄せ書き用の画用紙ください。」と畳み掛けられました。画用紙を差し出すと、女の子たちは嬉しそうに仲間のもとへ戻っていきました。その後ろ姿を見ながら、私自身が中学校の卒業式で担任の先生に言われた「人は良い別れを繰り返し、成長していく。後味の悪い別れだけはするな。」という言葉を思い出しました。

 私は4 年生の担任をしているので、子どもは 歳か 10 歳です。そんな年齢の子どもたちが、自分たちなりに別れを大事にしています。そして、良い別れをすることが、自らを高めるということを無意識に感じているのかもしれません。

 大人が教えるべきことと、子どもが知らない間に学んでいること、その二つに改めて気付かされたような気がします。

 今週6年生が卒業しました。4年生がこの学校で過ごす残りの2年間。良い出会いと良い別れを繰り返し、巣立っていけることができるよう願うばかりです。

 

       4年生担任 松谷如雪