先週金曜日、今年度最後の委員会活動を行いました。
飼育栽培委員会では、今年度の活動のふりかえりをしたあと、理科室とサイエンスコーナーにある大きな4つの川魚の水槽を大掃除しました。
今、その水槽には、コイ科のカワムツという魚がたくさん泳いでいます。
カワムツ自体は身近な川魚で、体長は10~15cm。すばやく動くため、自然界でじっくり観察するのは難しく、捕まえることも一苦労の魚です。
しかし、本校元教員の松田達衛先生にかかると話は別。京都市内の川(岩倉川など)でタモを使って熟練の手作業で捕まえてきてくださっています。

昨年秋、私たち理科部の教員も、その魚獲りに同行させていただきました。専用の長靴を履き、ひざ上まで水につかって大物を狙って追いかけました。
そのときのカワムツの逃げ足の速さは、今でも忘れられません。水を吸って重くなったタモをいくら振り回しても、大物どころか小石以外なにも獲れませんでした。
一方松田先生は岸の草むらや石の間をちょんちょんとつついたかと思うと、ゆっくり川底をなでては10cmほどのカワムツを何匹も捕まえておられました。
「魚の習性と川の特徴との両方を利用するのがコツ」と教えていただきました。

細かな様子を観察することは、対象を捕まえようと必死に追いかけているときには難しいものです。
水槽に入れてはじめて、すばやく動ける小魚特有の美しい形、うろこの光沢、ひれの形、色や模様などをじっくり観察できました。
是非一度、小さなカワムツをじっくり観察して、すばやく動くための秘密や形や色の美しさを多くの子に発見してほしいと思います。


理科部  中島 信