2年生国語の教科書に「お手紙」というアーノルド・ローベルの話が載っています。ちょっぴりわがままで自分勝手ながまくんと、がまくんに優しい言葉をかけるかえるくんという登場人物が親しみやすく、子どもたちが入っていきやすい物語です。前もって、子どもたちにアーノルド・ローベルの作品4冊を紹介しました。(『ふたりはいっしょ』『ふたりはともだち』『ふたりはいつも』『ふたりはきょうも』)  
本が大好きな子どもたちばかりなので、たちまち4冊をすっかり読みつくし、色々な発見をしてくれました。

 「先生、あのね、『お手紙』に出てくるかえるくんは、がまくんが『なくしたボタン』と言うお話の中でプレゼントした上着をきているのよ。」と、ある女の子が、教えてくれました。(うわ~発見された。みんなが気付かなければ、私が子ども達に秘密を教えるはずだったのに。)そう思っている矢先、ある男の子が

 「先生、あのなあ、弟の幼稚園のバザーでローベルさんの『どろんここぶた』買ってもらってんで。」と言って、みんなの前でその本の読み聞かせをしてくれました。(すごい、すごい、子どもたちの心の中にローベルさんの世界が広がっていきます。)

 いよいよ授業が始まりました。手紙を1度ももらったことがないため、寂しさで少々心がいじけてしまったがまくんと、そのがまくんを何とか喜ばせてあげようとするかえるくんの優しさ。二人の友情。「かえるくんががまくんに、お手紙のことを話してしまったのはなぜか。」という子どもたちから出された学習課題を考えていた時、ある男の子が言いました。

 「早く知らせて、お手紙を待つ間の幸せな時間をがまくんにたっぷり与えたかったのとちがうの。」(う~ん。もう脱帽です。)

 読書は子どもたちの心を掘り起こし耕し、そこに世界に1つだけの種を植えます。子どもたちの内面世界を豊かに耕し続けるかけがえのない1冊に、どうぞこれからも子どもたちが出会えますように。

2年生担任   鎌田裕子