そうじの時間、一人の男の子が私に話しかけてきました。いつも元気いっぱい、お調子者で先生に注意されることもしばしばです。でもとても素直でやさしい子と私は信じています。
いつもはそうじ中
「そうじの時間はそうじをしましょう!」
「けじめをつけましょう!!」
などと言っているのですが、あまりにも自然に素朴な疑問をぶつけられたので手を止めてしまいました。
「先生~なんで人間って生きてるの?」
私「う~ん、なんでやろねぇ…」
心の中では、「これから楽しいことがいっぱい待っているから」とか「生きていたらすてきなことがたくさんあるから」とか「成長するため」とか、いろんなことが思い浮かびましたが、「何を急に言い出すんだ!?」という気持ちの方が大きかったので、とっさにこう答えました。
もう一人男の子がやってきました。(この子もかなりのわんぱく者…)
「だって死んじゃったら次の子どもがいなくなるし、人間がいなくなるやん!」
私「じゃぁ子孫繁栄のためってこと?たしかにそうだねぇ」
…などなどそんなことを言っていると

 

「ぼく何でか知ってるよ。神様を喜ばせるためだよ。」

「なんだ答え知ってるんやん!!」

2人はそう言ってまたそうじを始めました。
私ははっとしました。

 

子どもたちを日々しかり、ほめ、私がこの子たちにしてあげられることはなんだろう、すべきことは…。自問自答の毎日です。「よりすてきな人間になってほしい」と常々思っているのですが。

でも結局、ノートルダムの子どもたちは知っている、気づいているのかもしれません。

まわりのすべてのものに感謝し、誰かのため、何かのために自分を奉仕し、生きていくことの大切さを。

これからこの子たちにたくさんの困難や辛いことがあるかもしれませんが、素直で優しい心、強い心が、その困難にも打ち勝つ強い力になりますように…。

本当に、教師っておどろきと発見とどきどきとわくわくの毎日です。

「神様を喜ばせるために生きてるんだよ」
この子から聞いたこの言葉は、これから先、ずっと私の心の中に残る気がします。

 

3年担任 瀬戸 理恵