今日は、夏休み前の最後の日です。

朝のテレビ放送で簡単な祈りの式をおこない、4月からの学校生活が無事終わったことについて、神様に感謝しました。最後は『アヴェマリア』を唱え、有意義な夏休みになるようお祈りをしました。

式の中で、遠泳についての報告があり、目的を果たしたすがすがしい5年生の姿が映し出されました。感動的なシーンでした。

もうひとつ感動がありました。それは、今日で転校することになった1年生の女の子を紹介した時のことです。テレビを見ているほかの児童へさよならのあいさつをしてほしいと言ったのですが、ことばが出てきません。「同じクラスのお友だちでもいいし、ほかのクラスの1年生でもいいし、パートナーの6年のお姉さんへでもいいんですよ」と水を向けても反応はありません。私はしばらく待ちました。そうすると、涙がじわっとにじんできたので、そっとしてあげたほうがいいなと思ったら、シスターベアトリス名誉校長が「胸にこみ上げるものがあるのね」と言いながら、その子の肩を抱いて助けてあげました。

かがみこんで見ていたその子の表情は、実に悲しそうでした。悲しかったので、ことばが出なかったのです。それほど別れが辛かったのでしょう。

私は時々、自分もこの学校で小学生時代を送れたらよかったのになあ、と思うことがあります。今回の遠泳を通しても、その気持ちを強く持ちました。それゆえに、その1年生の気持ちがよくわかりました。辛い最後の日だったことでしょう。送別の手紙に、「またノートルダムに来てね」旨のメッセージを添えました。

  校長 行田隆一