「聖母月によせて~母のこと~」 

 私の母は今年で79歳です。おかげさまで元気です。毎日、出勤する娘の私に代わって家事をしてくれます。私の息子、つまり孫の世話もです。歩くテンポは昔にくらべると、ゆっくりゆっくりになりましたが、とても気丈で、この元気はどこからくるのかと思う時があります。私が幼稚園児の頃、シュークリームなどのおやつも作ってくれました。音楽(エレクトーン)のホームレッスンがおわると、先生に紅茶とお菓子をお出しし、いっしょにお話をしました。洋裁や和裁が好きで、服やゆかたを作ってくれました。小学校に上がると、学校の用意をいっしょにしてくれました。幼稚園や小学校の父母の会の役も、進んで引き受けていたようです。・・・ところが、父が亡くなり家の事情がかわり、母が働きに出ることになりました。学校を出て社会人になることもなくそのまま家庭に入り専業主婦になった母がです。泣いているときもありました。それから、母のイメージが変わりました。母の教育方針が変わりました。母は、会社に行きながら英文タイプも習い、勉強していました。そして、自分が娘時代、親の元でのほほんと過ごしていたことを感じ、娘の私に、とにかく勉強して社会に通用する人にならないといざというとき困る、ということを教えました。・・・私が高校生の時、「勉強とクラブと両立させる」、という私の主張と、「あなたは、両立は無理。勉強だけに専念しなさい」という母の主張がぶつかったことがあります。・・・とにかく、私の母は強い人です。全身麻酔をした手術後も、酸素マスクの下から、「手術成功したんやて。」と、言いながら運ばれてきました。いろいろなお母さんがいると思います。私の母は、こういう人です。

4年担任 坂瀬 雅美