山の家学習 畑作準備

 文字通り、風薫る5月・ND山の家。
本校児童は、1年生で初めて6年生パートナーと「山の家学習」を体験し、それ以来、子ども達は、6年間、「山の家学習」と聞くと、胸おどらせ、そして様々な体験学習を経験します。

 先日、山の家学習の一つ、「畑作」の準備にいってまいりました。
冬の間、山の家学舎は、子ども達が訪れることなく、ひっそりと佇み、そして、春の訪れとともに、山の家学習が始まります。 冬の間に、畑の土は固くなり、春が訪れた頃には、雑草が生い茂っています。それはそれで、街中に住む子ども達にとっては貴重な場所なのですが、そのままでは、到底、作物は植えつけられません。草をひき、畑を耕し、植え付けをできる状態にするのが、教員にとっての「春の山の家学習」といえるのかもしれません。

 耕す前の畑


山の家学舎から見下ろした水田の様子

 春休み中に、全教員で山の家整備に訪れた時は、あいにくの雨模様で、畑準備ができず、その後も、計画した日には、なぜか雨がふり、ようやく、準備に行くことができました。

 正直、私達教員も、農作業に慣れているのは数える程しかおりません。男女関係なく、慣れない手つきで耕うん機を動かし、鍬(くわ)、大きなシャベルやスコップを持ち、畑作りに勤しみます。

 快晴の春の山の家は格別です。空気が澄んでいる気が本当にします。晴れた気分で話しながら耕し始めますが1畝(うね)の半分も出来上がらないうちに、無口になり、1畝完成するころには、既に疲労で笑えません。「畑作農家の方は、やはり上手。私達は本当に素人。」「台形の畝が作れるのか。」「昔の人は、偉い。」「あと、どれだけかかるのか…。」何とか気力を保ち、作業を続けます。だんだんと手馴れてはくるのですが、疲労が増し、スピードは上がりません。
それでもどうにかこうにか、畝を作り上げました。
「畑完成!」


教員の私達でも、この力仕事を経ての「畝完成の達成感」はとても大きいものです。

山の家学舎ができた1984年。学舎は建ちましたが、その周りは、山そのもの。30~20年前の在校生たちが、トラックも上れないような小道を登り、スーパーの袋いっぱいに砂利をつめ、ふうふう言って運び、道を整備しました。教職員と一緒に当時の高学年児童が力を合わせて、階段を手づくりしました。風雨にさらされ、1年たつと階段は滑り台のようになり、また次の年度、またその次の年度に作り直しました。
 現在は、卒業生の方のいらっしゃる造園会社のお世話になり、整った階段や小道ができ、補修もいらなくなりました。でも、この畑作りのように、まだ作業が必要な部分もあります。

教員の私達も、子ども達も山の家での作業・活動をとおして、労働の尊さを実感します。作物の恵みに感謝します。卒業生が誇らしく「山の家は私達が作った!」と語るように、子ども達も「この野菜はぼくが作った!」「私が植えたおいも!」と誇らしく語るのです。

春になり、畑作りなどが重労働に感じるようになればなるほど、労働の尊さと自然の恵みのへの感謝の思いも増します。
今年も、山の家学習・活動が安全で楽しく行われますように。神様がいつも見守ってくださいますように。

3年生担任 ・ 田島 美穂