先日、国語の授業で部首の学習をしました。その時に心に残った 「忙」という漢字について話します。

「忙」という字はりっしんべん、つまり「心」に「亡」(無くなる・滅びる)と書きます。“忙しいと心が散り、心が無くなる”と言う意味なのでしょう。前期前半終了を目前に控えたこの季節は、多忙な日常を客観的に見直し、自分を振り返る有意義な時間をもつ良い機会といえます。

先日、「あまりに多忙になると、人間味が薄れてくる。」と書かれた記事を読みました。真っ先に頭に浮かんだのは、受験生であるクラスの子どもたちのことです。適度な緊張状態はがんばる源となる良いものですが、成果を出すことを重視して、必要以上に追い立てていないか、また子どもたちは周りからの期待に応えようと無理を自分に強いていないか少し心配です。

自分らしさを取り戻すための最善の方法は、 静寂の時間を持つ事と、自然のリズムにあった生活をする事 といわれます。つまり日常生活における静と動のバランスが保ててこそ、大人も子どもも心身ともに健康でいられるということなのでしょう。

動ばかりで静をわすれがちな生活をしていませんか。周りの人を思いやるゆとりのある心を取り戻すには、静かなひとときの中で自分をみつめなおす静寂の時間が必要なのかも知れません 。そんな大切なことを見過ごしがちな現状にある受験生の子どもたちを よりよい方向へと導く事ができるよう、祈りながら努めて参ります。

 

6年生担任 稲光 千賀子