5月31日(火) 数学は文化
世界で一番読まれてきた本は何でしょうか?
正解は 聖書です。
では、 2 番目は?
正解は ユークリッド原論 といわれています。
このユークリッド原論は紀元前 300 年ごろにユークリッド(ギリシャ語でエウクレイデス)によって編集されました。彼はその時代以前にすでに知られていたり使用されていたりした数学の内容をひとつの体系として纏め上げました。その後、この本は、さまざまな国で、さまざまな言語で翻訳され今なお読み続けられている本です。
算数や数学を嫌いな人の中に「なぜ算数や数学を学ぶ必要があるのか」と考える人がいます。 「生活に必要だから」とか「社会に出たときに役に立つ」という答えもひとつですが、私はそのほかに「文化に親しむ」ということを付け加えたいのです。数学はまさに文化の塊です。長い年月をかけ、さらにまだ進化を続けている数学。数学を学ぶことにより、先人たちが長年かけて作り上げてきた数学を味わってほしいと思います。ユークリッド原論はまさに先人たちの知識が集約され、また大切に守られてきた本です。この本を通して、数学の楽しさや難しさ、おもしろさを味わってほしいと思います。