今週のノートルダム(7/12- ) vol.2「親と子の実験工作教室」
7月18 日 ( 日 )、 日本原子力学会関西支部の先生方による「放射線を見てみよう」という題で「親と子の実験工作教室」 が、本校理科室で行われました。本校父母の会主催によるものです。
空から降りそそぐ宇宙線、地上の放射線物質から生まれる放射線などの自然放射線、病院などの CT スキャンなどの人工放射線、我々人間は、様々な放射線の中で暮らしています。
しかし、気付かないのはなぜでしょうか?それは放射線が目に見えないからです。
今回の実験教室は、目には見えない放射線を、霧箱を製作して見ようというねらいです。
保護者の方々も子どもたちもどのようにして見ることができるのか、最初からとても楽しみな様子でした。
まず、アクリルパイプにスポンジテープを貼り付けます。黒いアクリル板の中央にアクリルパイプを置いて、隙間に注射器を使ってアクリル接着剤を流し込んで固定します、
発泡スチロールを使って箱を作ります。細かく砕いたドライアイスを発泡スチロールの箱に入れていきます。完成までもう少しです。
透明アクリル板の中央に、線源 ( ランタンの芯の一部を針の先に巻きつけたもの ) をクッションゴムで貼り付けます。
スポンジテープにスポイトでアルコールをたっぷりしみ込ませ、底面にも数滴落としました。最後にアクリル板でふたをして完成です!
部屋を真っ暗にして、数分間すると線源のまわりに、数センチほどの長さの白い線が見え始めます。
参加した子どもたちだけでなく、保護者の方からも「おぉ~」と歓声が起こりました。
予想以上にたくさん白い線が見えたので、子どもたちは、「たくさん、見えるよ!」
「お父さん、見て見て」「飛行機雲だ!」などと理科室で大興奮でした。
霧箱の中では、スポンジから蒸発したアルコール蒸気が冷やされながら上か下へ流れ、雲ができやすい「過飽和」という状態になっています。そこへ放射線が走ってイオンを作ると、まわりに霧(アルコール液体の小さな粒)ができ、放射線の足跡を残します。これは飛行機雲ができる原理とほぼ同じだそうです。
これはもともと、スコットランドの物理学者ウィルソンの「霧箱の原理」として知られている実験だそうです。ウィルソンさんが、1927年のノーベル物理学賞をとった人だと聞いた子どもたちは、その実験を体験できて、とてもうれしかったことでしょう。将来、このノートルダム学院小学校からノーベル賞受賞者が出るかもしれません。
今回、企画してくださった父母の会の皆様、教えてくださった日本原子力学会関西支部の先生方に感謝します。