1年生で“確率”の勉強


 

〈1年生も確率の勉強をしよう 〉 

12月14日~17日の4時間目に, 1年3組で
算数の特別授業が行われました

この授業は,京都教育大学大学院生の口分田政史さんの
教育研究に,本校算数部が協力し実施したものです。
 
口分田さん(指導教員:渡邉伸樹准教授)は,
大学院で 算数・数学教育学を専攻し
現在は,小学校の確率教育について研究中の方です。
 
今回の特別授業は,その研究の一環として本校が機会を提供したものです。
授業者は,算数部の太田です。 
  
では,その授業での子ども達の様子をご紹介します。
 

〈よそうには,どんなよそうがあるの?〉

何気なく普段している予想。

その予想することにも算数がかくれている

ことを知った子ども達はびっくり仰天!!

今からの勉強に興味津々になりました。

 

 

〈よそうは,3しゅるいあるよ〉


みんなで考えたよそう。色々あるけど,
必ず当たる場合や,絶対はずれる場合
あたったりはずれたりする場合の
3つの場合があると
勉強しました。

さいころの目は,「つぎは1がでる」とよそうしても,
あたったり,はずれたりするんですね。 

 

 

〈どのくじが当たりやすいの?〉

次の授業では,子ども達が
口分田さんの作った
くじ引きをつかって,
『当たりやすさ』を考えました。

当たりくじの本数の異なる2つのくじ引きで,
子ども達は,くじに当たりたいと, 必死になって
当たりやすい条件を考えています。

「やっぱり当たりの本数が多い方が
当たりやすいのかなあ。」

「8本くらい当たる」と予想した友達は
どうやって計算したのかなあ

 

 

 

 

 

 

〈実験して確かめよう?〉

本当に当たりくじの多いくじびき②が
当たりやすいのかを実験して確かめました。

1人1人が交代で,くじを引いていきました。

さて,その結果は・・・?

 

 

 

 『なぜ1年生から確率を? ー日本の確率教育とは?ー
 

口分田さんは,確率教育に関する先行研究や諸外国の教育課程などの研究を行い,
多くの大学の先生方からの指導も受け,小学校の確率教育の新しいカリキュラムを考えておられます。

そして現在は,研究の一環として教育実践を行っておられ,今回の授業もその中のひとつでした。

今回の授業のねらいは,
偶然起こっていると思う時でも,
そのことが起こる確率の大きさ(当たりやすさ)に違いがあるのを,
算数的活動を通して 勉強することでした。

 
子ども達は,じゃんけんの勝敗・当たり付きのお菓子・天気予報など,
様々な確率的な事象を日常の生活の中で見聞きしています。
本校の児童にも,確率に対する認識を高めるために,
ぜひ必要なことだと考え
教育実践を行っていただきました。
 
 

さて,口分田さんの日本の確率教育についての考えは 次の通りです。

『 現在の日本の算数教育では,小学校教育で確率の勉強はほとんどされていません。
もちろん,先生をはじめ,保護者の方もほとんど,小学校で学習していないと思います。
 しかし,諸外国(アメリカ,中国など)では,日本と異なり,1年生から確率教育を行っています。
それらは,色々な事柄の起こる確率を合理的に判断する確率的な考えが,
子ども達の生活する現在の社会で必要されているからです。
今後,日本の算数教育でも,子どものより良い生活のための,
確率教育が行われるよう,今回の研究を活かしていきたいと思います 』

 

口分田さんから特別授業を受けた1年生が,この学びを通して,
より一層算数に対する思考力や興味関心を伸ばしていって欲しいと願います。