日本に5台しかないという世界初のデジタル地球儀「触れる地球」が、小学校としては初めて本校にやってきました。「触れる地球」は日本にしかありません。ということは、世界の小学校で初めてのお目見えとなるわけです。

「触れる地球」は、地球の1千万分の一の大きさの球体です。地球儀といっても普通のものとは全く異なり、パソコン2台でインターネットにつながれていて、アクリル樹脂のような表面に内側から地球の映像を映し出します。また、地球を覆っている雲や、地球上の昼夜の区別をリアルタイムで現します。さらには、地震などの地球に関する過去のデータや、100年後の温暖化進行状況のシミュレーション機能などをあわせ持つ優れものです(より詳しいことは、Earth Literacy Program で検索すると「触れる地球」以外のこともわかります)。これを考案したのが、京都造形芸術大学教授で文化人類学者の竹村真一先生です。7月8日、その竹村先生が「触れる地球」を教材に、地球について授業をして下さいました。その前に、児童会会長のあいさつ、そして5年生が去年、「水・環境・命・地球」をテーマとした学習発表会のテーマソング『地球の家族』を4・5年生が合唱し、竹村先生を歓迎しました。

 

授業はNDホールでおこなわれ、4・5・6年生が触れる地球を扇型に囲んで座りました。「この地球儀は直径が1.28メートル。では、空気の厚さはどれぐらいかな」竹村先生から453名へいきなり質問が出されました。正解は1ミリです。先生が続けます。「みんな、宇宙人になったつもりで地球を見てみよう」確かに宇宙の目での授業です。俯瞰(ふかん)・鳥瞰(ちょうかん)などのことばがありますが、見る目のスケールが違います。そして、宇宙人の目に次から次へと、宇宙からでないと見えない地球の姿が映し出されていきました。

 

1時間近い、竹村先生の熱のこもった授業は、温暖化の進行状況についての説明で終わりました。そして、「このような問題を解決するためには、もっともっと地球のことについて勉強しなくてはいけないよ。これで前半の授業はおしまい。後半の授業に来るまで、いっぱい調べておいてね」とおっしゃいました。

 

授業のあとは、グループに分かれ、触れる地球に実際に触る体験です。一様に感嘆の声が上がりました。竹村先生はこの時間もNDホールにおられ、子どもたちの体験の様子をご覧になって下さいました。

 

子どもたちの感想文をいくつか抜粋で紹介します。

  • 「竹村先生が『自分の国のことばかり考えずに他の国のことも考えましょう』とおっしゃたので、僕はこう思いました『自分の国だけのためにエコをするんじゃなくて、これからは未来の地球のためにしていきたい』」4年
  • 「宇宙から見た地球はとてもきれいでした。タイでは森林ばっさいのせいで、宇宙から見ても(森林のある隣国との)国境がわかったので、森林ばっさいは悪いことだなと思いました」4年
    (注:「虫眼鏡ポインタ」機能で、虫眼鏡を当てることでその場所の様子を見ることができる)
  • 「地球を助けるには、世界中で温暖化や大気おせんをやめるように努力して、みんなひとつになって守らなければないと感じました」5年
  • 「温室こうかが北極とヒマラヤでどんどん進んでいるのを聞いてびっくりしました。北極とヒマラヤの氷がとけていくのは、白の服から黒の服にかわることと同じだからだそうです」5年
  • 「(前々日に朝のテレビ放送で予告された時は)それほど興味がわかなかったけど、本物を見た時は『すげー!』と思いました。この地球儀に似た物を見たことはあるけど、この地球儀にはかなわないと思います。地球儀に触れた時はドキドキして興奮してしまいました」6年
  • 「すばらしい授業でした。(所有者である)天下一品の木村社長さんが地球儀を貸してくれなかったら受けられない授業でした。竹村先生と木村社長さんに感謝します」6年

児童会会長のことばでこの記事を結びます。

「私たちの学校では、5年生になったら広島へ行って、平和の実行者『ピースキーパー』になる誓いをあらたにするのですが、今日、私たちは、竹村先生の授業から、地球を愛し、地球を守る『アースキーパー』になりたいと思います。」